クオリティ・オブ・ライフ 3
クオリティ・オブ・ライフ、クオリティ・オブ・ライフ2
クオリティ・オブ・ライフ3、クオリティ・オブ・ライフ4
一方の長田さんも今年で55才になります。
株式投資と出合ったのは金田さんと同じく20代の後半でした。
大学を出て就職をし、そろそろ貯金が出来始めた頃です。
もともと慎重な性格の長田さん、短期売買で儲けまくる友人達を横目に、
まずは投資関係の本を読みあさります。
100万円が1億円に、といったようなデイトレードを煽る本が多い中、
長田さんの目にとまったのはピーター・リンチやベンジャミン・グレアムの
長期投資を勧める本でした。
それらの本によれば、将来有望な企業の株を買って、
後は長い間持っているだけで勝手にお金が増えていくそうです。
今の時代、どうせ銀行や郵便局に預けてもほとんど利息はもらえません。
ここはひとつ株をコツコツと買っていってみようと思いました。
また他にも現代ポートフォリオ理論について勉強しました。
これによれば、資産を一ヶ所に集中させるのではなく、
債券や外国株などにも分散させておく方が安全だということです。
債券はともかく、外国株なんてよく分からないので、ここは投資信託を買うことにします。
それなりの企業に就職して、それなりの給料をもらっていたので、
毎月何万円かは投資に回す事が出来ます。
そこで、そのお金で株と債券と投資信託を毎月こつこつと買っていくことにしました。
個別株については身近な企業から将来性のありそうなものを、債券は日本国債を、
投資信託については外国株のパッシブ運用をしているものを選びました。
何ヶ月に一回は持ち株のチェックや、新しく買おうと思う企業の分析、
その他の投資先に関する勉強などをしましたが、それほど時間は使いません。
基本的には上記の3つを機械的に買い増していっただけです。
それでも多いときは年率20%くらいの利回りが得られています。
資産が減ってしまう年もありましたが、それも数%程度のことなので、
そんなに気にはしませんでした。
一方、仕事の方も順調です。
もともと性格にあっていたのでしょう、なかなか仕事が面白く、
やりがいも感じることが出来ました。
また、30才の頃には会社で知り合った女性と結婚し、2人の子供も産まれました。
平日は朝から会社で働き、夜は奥さんと子供との家族団欒、
休日は子供を連れて遊びに行きます。
それほど裕福というわけでもありませんが、幸せな生活です。
そんな長田さんも今年で55才。
2人の娘は嫁に行ってしまい、奥さんと2人で賃貸マンション暮らしです。
投資資金の方はそれほど急激に増えたことはなかったのですが、
コツコツと積み立てたおかげで2億円にまで増えています。
そろそろ郊外にマンションを買って、
少し早く隠居生活を始めようかと思っているところです。
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