株とは何か
一昔前には株式投資をしているというだけで、何かとても怪しい人間のように扱われるという時代がありました。株をやっている人といえば、博打好きか詐欺師か、よくわからないがとにかく人生の落伍者だ、というくらいの見方をされていたものです。
ところがここ最近、ネットを通して株を売買する環境が整ってきて、いわゆる一般の人も気軽に株式市場に参加できるようになってきており、かなり市民権を得てきたのではないでしょうか?
しかし、そもそも株とは何でしょうか?
非常に単純な質問ですが、この質問に正確に答えられる人はまだまだ少ないのではないでしょうか。これは日本の教育のせいもありますし、日本人の性質にも原因があると思います。
つまり日本人というのは、他の国の人に比べると自己主張が弱く、突出した存在になるのを嫌う傾向があります。特にお金に関してはそういうところが強く、積極的にお金儲けの話をするのは、大人も子供もあまり得意ではないようです。
本来、株というのは資本主義の基本ですから、小学校とか中学校できっちりと教えるべきものです。が、前述したような理由でなんとなく避けて通っているようなところがあります。
株式投資をするにあたって、まず株とは何か、というところからしっかり押さえておきましょう。
一言で言えば、株とは企業が事業資金を調達するために発行する証券のことです。
企業が活動するためにはお金が必要になりますが、最初から多くのお金を持っている会社ばかりではありません。そこで、足らないお金を不特定多数の人から集めるわけです。
そのときにお金を出したことを証明するために発行するのが株式です。
株式を持っているとその人は株主と呼ばれ、その会社が得た利益を配分される権利や、会社の運営方針を決めるための議決権を持ちます。
会社で一番えらい人は会長や社長だと思われがちですが、そうではありません。
一番偉いのは株主であって、株式会社は本来株主のものです。
そして、株は株式市場で買ったり売ったりできます。そのときの値段が株価であり、多くの投資家が一喜一憂する対象になっています。
基本的には会社が儲かっていれば株価は騰がります。それは多くの人がその会社の株を買いたいと思うからであり、少しくらい高くてもどんどん買いたいという人が出てくるわけです。逆に赤字になったりして業績が良くない会社の株は、だれも買いたくありません。すると株主たちは少しくらい安くてもいいから自分の持っている株を売ってしまおうと思うわけです。その結果、株価は下がっていくということになります。
株式投資とは、将来性のある会社の株を買って、その株価が上がるのを待つことです。