買値を忘れろ
ここでは、買値を忘れろ、という話をします。
株を買った場合、どうしてもその株をいくらで買ったのか、
という情報をいつまでも覚えているものです。
しかし実はこれは悪いことであると私は思います。
実際のところ、売買の反省をしたり、投資成績を管理したりする必要があるため、本当に忘れてしまっては困るのですが、その株を売るときに買値を意識する必要はない、という意味です。
例えば、10万円の株があったとして、
それを5万円で買ったとしても、20万円で買ったとしても、
売り時は変わらないべきだと思います。
つまり、その会社の現状を評価して、
10万円の価値がないのであれば売るべきで、
10万円を大きく越える価値があると思えば売らないべきです。
この判断を行うときに、
いくらで買ったからどうこうというのは、
判断の邪魔にしかならないわけです。
マネー雑誌などを見ていると、
損切りラインを必ず決めて、それを下回ったら売ること、とか、
何割以上儲かったら売ること、とかいう記述がよくありますが、
あんなのは手数料を稼ぎたい証券会社の思惑です。
長期投資家たるもの、目先の何割かの変動に惑わされてはいけません。
ましてや買値からいくら動いたとかいうのは、
その会社の価値とは全く関係のないことで、
売り時を判断する材料にはなりえません。
このような理屈は、頭ではわかっているつもりでも、
毎日のように含み益を計算したりしているうちに、
ついつい忘れてしまうものです。
変な言い方ですが、買値にこだわらない習慣がつくまでは、
意識して買値を忘れるように努力する必要があると思います。
証券会社の煽りに騙されて、無駄な手数料を払わないようにしましょう。