ハンズマンの分析
ここでは、ハンズマン<7636>の分析をしています。
概要
ハンズマンは九州でホームセンターを展開している企業。DIY用品が売上の半分くらいで、あとは家庭用品や車関係など。DIYとは Do it yourself の略で、
要するに日曜大工とかガーデンニングとかの事です。
2005年現在、店舗数は8、従業員数は158名。2年に一店くらいのペースで店を増やしていく計画だそうです。堅実な計画で、着実に成長している会社です。決算は6月末、株主優待はなく、配当性向は20%程度です。
株式関係
2000年にJASDAQに上場、銘柄コードは7636。
株価の推移(Yahoo)
2001年に人気化したものの、2002年に暴落。
その後は業績に比例して順調に上昇しています。
2005/11/25の終値は1,215円。
100株単位で買えるので、最低投資金額は12万円程度。
知名度が低いこともあり、流動性にはやや難があります。今年も台風の時期に特需だっていって少し盛り上がっただけで、普段は静かなものです。ただ、流動性リスクを許容できる長期投資家にとって、割安成長株であることは間違いありません。
銘柄分析
2005/11/27 現在
まずは会社四季報で公表されている売上高と経常利益を
グラフにしたものを示します。
2006年と2007年については予想値となっています。
売上高の伸びは順調そのもの。
経常利益については2006年に落ち込んでいるのが気になりますが、
これは新店(大野城店)のための出店費用が原因で問題ありません。
2006年の会社発表の予想数字ですが、
これはかなり控え目な予想であると思われます。
実際、去年と一昨年の例を見てみると、
2005年2月8日と2004年1月27日にかなり大きな上方修正をしています。
今年も上方修正するかはわかりませんが、
ある程度期待してもよいと思います。
成長率を計算すると、売上高で13%、経常利益で8.5%という数字。
今後もこの程度の成長を5年から10年は続けてくれると信じています。
現状を見る限りでは、特に問題なく達成できるでしょう。
直近の決算短信は、2005年11月10日に出された、
2006年度の第1四半期のものです。
ほぼ計画どおりで、順調な業績。
たな卸資産や短期借入金の増加具合など、一通り見てみましたが、
特に問題になりそうな点は発見できませんでした。
非常に堅実な経営で、安心して持っていてもいい株だと思います。
次に出店状況です。
DIYホームセンターハンズマンの出店状況
|
開店時期 |
店名 |
場所 |
売場面積 |
1号店 |
昭和61年 4月 |
吉尾店 |
宮崎県都城市 |
3,910 m2 |
2号店 |
平成 4年 7月 |
加納店 |
宮崎県宮崎郡 |
3,475 m2 |
3号店 |
平成 8年 4月 |
新名爪店 |
宮崎県宮崎市 |
5,800 m2 |
4号店 |
平成10年 4月 |
柳丸店 |
宮崎県宮崎市 |
4,057 m2 |
5号店 |
平成12年 9月 |
国分店 |
鹿児島県国分市 |
6,000 m2 |
6号店 |
平成13年12月 |
画図店 |
熊本県熊本市 |
5,825 m2 |
7号店 |
平成15年 9月 |
わさだ店 |
大分県大分市 |
9,900 m2 |
8号店 |
平成17年11月 |
大野城店 |
福岡県大野城市 |
9,000 m2 |
出店の間隔については、前述のように2年に一店程度になっています。
今後も緩やかに増えていくのでしょう。
出店場所については、最初の4店は宮崎県、
その後は九州の中で他県に進出して行っています。
非常に分かりやすい戦略で、好感が持てます。
売場面積については、もともと大型店舗が売りのハンズマンですが、
最近の2店はさらに売り場面積が広くなっています。
これについても賛成です。
DIY用品は広い店でたくさん品数を揃えてあるところが好きです。
懸念材料ですが、ハンズマンに問題があるとすれば、
- 株の流動性が低い
- ホームセンター業界に成長鈍化が見られる
という点だと思います。
流動性については前述の通り、長期投資家にとっては問題になりません。
例えば私は、当面売る予定がないので、
10年か20年後に流動性が高まっていてくれればいいです。
私としては、一部上場を果たしてから売り時を考えるつもりです。
ホームセンター業界については、日本で本格的に普及しだしてから30年ほどが経ち、売上規模は4兆円程度にまで成長していますが、近年、頭打ちの兆しが見えてきたところです。ただ、団塊の世代が定年を迎える時期でもあり、数年のうちにすぐ市場が縮小へ向かうようなことはないはずです。再編を繰り返しつつ、10年程は安定成長が続くものと思っています。
ここ数年、業界平均を上回る成長を遂げてきたハンズマンなので、おそらく生き残っていくと思います。ただし、他社との提携や統合が必要な時期は来ると思いますので、その点に関する経営陣の考え方については注意が必要です。
ひとつ要望をあげるとすれば、ネット販売。すでにハンズマンは楽天市場に出店していますが、現状ではほとんど力を入れていません。対面販売がメインだという考え方は理解できますが、株主価値の最大化を目指すのであれば、本格的にネット販売を始めてもらいたいものです。
2007/11/30 追記
業績については引き続き堅調。熊本2号店もオープンしました。
9号店 |
平成19年11月 |
熊本県菊池郡菊陽町 |
12,100m2 |
ただ、株価はJASDAQ軟調のあおりを受ける感じで低迷しており、
割安感が増しています。
今日の終値は800円ちょうどで、PER 11.09、PBR 0.69
2009/6/14
サブプライムショックの影響でかなり株価が下がり、
最近は500円から600円程度で推移しています。かなりお買い得な銘柄です。
2014/12/31
株価は1,400円まで上がりましたが、依然として割安。引き続き買い推奨です。