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ザラ場外の値動き

前回前々回と1991年1月から2004年6月までの13年6ヶ月分の日経平均株価の日足データを使って、株価の周期性について検証しました。その結果、なんらかの周期性は見られるものの、将来の株価を予測するのは困難であるとの結論が得られました。下にこの期間の日足チャートを示します。

ここでは、株価の動きをザラ場中の動きとザラ場外の動きに分けて、その間の相関関係について検証を行います。ザラ場外の動きとは、前日の終値と当日の始値との差として定義しました。

式で書くと次のようになります。

ザラ場外の動き = 当日の始値 - 前日の終値

ザラ場中の動き = 当日の終値 - 当日の始値

一日合計の動き = 当日の終値 - 前日の終値

上式からも明らかですが、

ザラ場外の動き + ザラ場中の動き = 一日合計の動き

という関係が成り立ちます。

まず期間中のすべての日についてこれらの値を計算し、集計した結果を示します。

  平均(円) 標準偏差 上げ 下げ
合計 -3.578 241.600 1629 (49.07%) 1691 (50.93%)
ザラ場外 4.778 51.867 1841 (55.45%) 1479 (44.55%)
ザラ場中 -8.356   221.968 1596 (48.07%) 1724 (51.93%)

平均株価は期間中にほぼ半値になっているため、合計の動きの平均値は-3.6円となりました。これに対してザラ場外の動きは+4.8円、ザラ場中の動きは-8.4円です。かなりの差があるように思います。原因としてはおそらく、海外市場、特に米国の株価が2000年まで絶好調であったことがあげられます。標準偏差については、合計が242円であるのに対して、ザラ場外が52円、ザラ場中が222円となりました。意外にもザラ場中の動きが平均株価の動きの大半を占めていることが分かりました。右の2列は、それぞれがプラスだった日、マイナスだった日の数とその割合です。ザラ場外については55%以上の日がプラスであり、ここでも海外市場の好調さを見ることが出来ます。この期間中に限って言えば、引けで買って翌日の寄りで売る、あるいは、寄りで空売って引けで買い戻す、という戦略が有効であったということになります。

次に、ザラ場外で上がった日はザラ場中にも上がるのかどうか、ということを検証しました。下のグラフは、合計-ザラ場外、合計-ザラ場中、ザラ場中-ザラ場外、の3通りの組み合わせについて散布図を書いたものです。なお、株価水準による違いを調整するため、変動率に変換を行っています。


ザラ場外 - 合計  相関係数:0.470

ザラ場外 - ザラ場中  相関係数:0.278

ザラ場中 - 合計  相関係数:0.979

まず、ザラ場外 - 合計ですが、相関係数はプラスの0.47となり、弱い正の相関が見られました。これは、寄りが高ければ合計も高く、寄りが安ければ合計も安くなるということを示しています。次にザラ場外 - ザラ場中ですが、これについてもわずかですが正の相関が見られました。もしこれが有意な結果であれば、寄りが高い日には買いから、安い日は売りから入れば儲かるということになります。これについては、より詳細な検討が必要であると思います。最後にザラ場中 - 合計です。相関係数は0.979となり、非常に強い正の相関があることが分かりました。当然といえば当然の結果ですが、ザラ場中の値動きが支配的であることが確認出来ました。

ここでは、株価の動きをザラ場中とザラ場外にわけ、その関係について検証しました。結果、ザラ場中の値動きが支配的ではあるが、ザラ場外の動きとザラ場中の動きとの間にも相関関係がある可能性が示唆されました。 


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