勝率とロスカット3
勝率とロスカット2からの続き
さて、デイトレで大儲けする人のページで書いたように、
勝率5割で10%の利確と損切りを繰り返していると、
かなりの確率で資産が減っていきます。
これを防ぐには分散投資をするのが一番な訳ですが、
ここではその話は置いておいて、勝率について考えていきます。
いくらか数式が出てきますので、算数とか数学が苦手な人は適当に読み流して下さい。
まず復習ですが、50%の確率で+10%、残り50%で-10%のときの相乗平均は、
(1.1 * 0.9) 0.5 = 0.995
です。
これが勝率を下げる要因になっていました。
では、トータルの勝率を5割にするためには、
一回のトレードごとの勝率はどれだけあればいいのでしょうか?
トータルの勝率を決めているのは相乗平均の値なので、
これが1になるような勝率を求めてやればいいことになります。
方程式で書くと、
1.1x * 0.9(1-x) = 1
となり、これをXについて解けば答えがでます。
指数があるのでまず対数をとってから解いていきます。
log (1.1x * 0.9(1-x) ) = log 1
log ( 1.1x ) + log( 0.9(1-x) ) = 0
X * log 1.1 + (1-X) * log 0.9 = 0
X * ( log 1.1 - log 0.9 ) = - log 0.9
X = - log 0.9 / ( log 1.1 - log 0.9 )
X = 0.5250
相乗平均が1になるのは、勝率が52.5%のときという答えが出てきました。
つまり利確ラインを+10%、損切りラインを-10%にしている場合には、
トータル勝率を5割にしようと思ったら、52.5%の勝率が必要ということです。
利確ラインをaとすると、一般式は
X = - log (1-a) / ( log (1+a) - log (1-a) )
となります。
横軸にaをとって描いたグラフはこのようになります。

損切りと利確の幅を大きくすればするほど、高い勝率が必要になっています。
次に勝率は5割、損切りは-10%のままで、利確ラインを上に上げることを考えてみます。
( X * 0.9 ) 0.5 = 1
今度は簡単に解けます。
X = 1/0.9 = 1.1111
つまりプラス11.11%です。
勝率が5割なのであれば、+11.11%で利確、-10%で損切りをしていれば、
トータルの勝率がちょうど5割になります。
同様に、利確を10%のままにして、損切りラインを上げる場合には、
1/1.1で9.1%にすればいいという事になります。