ランダム性2
ランダム性からの続き
次に気を付けることは、なるべく表と裏が連続しないように、ということだと思います。
ただ、01010101010…というのでは逆に規則的すぎておかしいので、
適度に連続するところを作ります。
前ページの例でも以下のように連続している部分があります。
101001011011001010110001101011
さて、一見自然に見えるこの数列ですが、本当にそうなのでしょうか?
それを確認するために、コンピュータの乱数を使って作ったものと比べてみましょう。
以下に示すのは0と1を50%ずつランダムに、という条件のみで発生させた数列です。
念のため5回実行して見ました。
101111100001110010100000110011
010000100001000011001010101110
011011011111100001111100000111
010000111110110011110000101001
111101100011010010111001011110
3つ以上連続して1か0が出ているところに色を付けたのですが、
かなりの数になっているのがわかると思います。
特に2つ目の前半部分や3つ目の後半部分なんかは特徴的ですね。
信じがたいかも知れませんが、これがランダムというものなのです。
では、もしこれが株価の上げ下げだとしたらどうでしょうか?
2つ目の数列の前半部分では、16営業日のうちで3日しか値上がりしていませんし、
3つ目の後半では、一週間単位で上げ下げを繰り返しています。
これを実際の株で体験したら、とてもランダムだとは思えませんよね。
しかしこれが現実なのです。
つまり、確率50%の乱数というものは、我々の想像以上に連続することがある、
ということです。
実際の株式市場で、日経平均が2,3週間下げ続けたとしても、
それが景気減速懸念などの理由をともなった本質的な下げなのか、
あるいは単なる気まぐれなのかということは、全く分かりません。
高々2,3週間の日足を見てトレンドを考えることが、
いかにバカらしいことなのかがよく分かると思います。
実際に日経平均株価について、この連続性を検証した結果がこちらにあります。
これを見ても、株価はおおむねランダムウォークしているということが言えます。
細かな変動に惑わされず、大局的に市場の動きを捉えるためには、
このランダム性についての感覚をしっかりさせておくことが必要だと言えます。